私は岡山の真庭市で生まれ育ち、前職は空調機メーカーで設計の仕事をしていました。昨年、倉敷市内に引っ越すことになったので、転職先を探していて偶然日電商工を見つけました。日電商工の製品は日常生活においては馴染みが薄いのですが、世の中になくてはならない製品をつくっていることに、設計者として好奇心が湧き、面接を受けてみようと思ったのです。
実際、設計の仕事をはじめると、機械として基本的なところは変わらないのですが、ケーブルリールなど現物を触ってみて、計算方法がかなり違うことに気づきました。これまでの歴史のなかで培ってきた日電商工の技術力を知らされ、さらに仕事への関心が高まりました。
今は、見積もり用の図面(お客様の仕様に合った外見の全体像)を描くことが主な仕事です。事務所と工場が近く、自分の描いた図面がそばの工場で組み立てられているのがすぐに見られるので面白いですね。大学時代に物理学を専攻しており、力学的な知識のベースはあるのですが、日電商工の製品はサイズが大きいこと、リール(長物)、電気などが複雑に絡むので、そこも考慮して計算し設計しなければなりません。難しい部分も多いですが、反面やりがいもあります。個人的には電気の知識をもっと増やすのが喫緊の課題です。
この先の会社の課題としてあげられている一つが「中間層の空洞化」です。豊富な経験とノウハウをもつ大ベテランの方たちが、十数年もすれば退職期を迎える。ですから、いま会社は若い人をどんどん採用しています。日電商工の良いところは、若い人を増やすだけでなく、若い人たちからの意見を吸い上げて、きちんと反映してくれることです。これから私たち若い世代が率先して、ベテラン世代の技術やノウハウを受け継いでいかなければと思っています。